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2015年03月06日

戦略的節税・第8弾(貸倒引当金)

by 山口 慶一 829

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今回は、戦略的節税第8弾として、貸倒引当金を利用する方法です。

貸倒引当金とは、債権等の貸倒れに備えて、あらかじめ引当金として費用に計上しておくものです。会計上は、貸倒引当金以外にも一定の要件を満たせば引当金の認識が認められていますが、税務上では、「貸倒引当金」と、「返品調整引当金」の2つのみその計上が認められています。本来、債務確定主義(債務の確定していないものは損金に算入されない)をとる法人税法においては、原則として、いまだ債務の確定していない引当金の計上を認めていません。しかし、会計との整合性を図るために、特別に2つの引当金に限りその計上を認めているのです。「返品調整引当金」は一部の企業のみ計上することができるのに対し、「貸倒引当金」は債権があれば計上できるため、すべての企業で計上することができます。

「貸倒引当金」は債権の状況に応じて?個別貸倒引当金と、?一括貸倒引当金に分けられます。

?個別貸倒引当金

個別貸倒引当金は、不良債権、つまり「部分的な貸倒れ」を先取りして損金に算入されるものです。以下の3つの場合に限り、認識できます。

?.長期棚上げ基準
貸倒損失の「法的な債権の消滅」の原因となる事実により、債権が長期棚上げまたは年賦償還される場合

?.実質基準
債務者の債務超過状態が相当期間継続している、または債権の全額が回収不可能であることが明らかであるが、担保がある場合(担保がない場合には、貸倒損失を認識できます。)

?.形式基準
将来において、貸倒損失の計上につながる法的事実が発生すると見込まれるような場合(会社更生法による更生手続き開始の申し立てなど)

?一括貸倒引当金

不良債権に該当しない債権について、過去の貸倒実績率に基づく貸倒見積額を一括貸倒引当金として認識できます。計算式は以下のようになります。貸倒実績率は過去3事業年度の実績を利用します。

一括貸倒引当金=債権金額×貸倒実績率

また、中小企業は貸倒実績率に代えて法定の繰入率に基づいて計算することも認められているため、両者を比較し、有利な方を選択できます。貸倒実績率より法定の繰入率の方が高い率になることが多いため、一般的には法定の繰入率を利用している企業が多いようです。


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